「セグメンテーション」の役割とは?変数を用いた具体例もご紹介
マーケティング戦略には、「STP分析」が重要ということを前回お伝えしましたが、今回はこの分析の最初の工程である「セグメンテーション」が持つ役割について知識を深めていきたいと思います!
セグメンテーションとは?
セグメンテーション(segmentation)は「区分」「区分け」という意味があり、市場にいる不特定多数の顧客をニーズや特性などに応じて細分化することを指します。
そしてマーケティングの分野では、「ターゲットとする顧客層を決めるために」市場を分類するという意味があります。
商品をどのような人達に提供するのかが明確でなければ、商品の開発も販売方針も決まりません。ターゲットを絞る前に、どのような消費者層が存在しているのかを把握する方法として、セグメンテーションが必須なのです。
マーケティング戦略におけるセグメンテーションの立ち位置
前回のおさらいとなりますが、「STP分析」と呼ばれる以下の3つの分析について簡潔にご紹介します。
・セグメンテーション(Segmentation)
市場調査実施後に、ターゲティングを行う前の準備段階として実施されるもの。
顧客ニーズに注目して対象の市場を細分化すること。
・ターゲティング(Targeting)
細分化した市場の中でどのセグメントを狙うのかを選択していくこと。
・ポジショニング(Positioning)
市場における競合他社と自社の立ち位置を把握し、自社の差別化を行うこと。
このように、セグメンテーションとはターゲットの選定や他社との差別化を図る戦略を行う最初の段階として欠かせない、重要な役割を担っています。
セグメンテーションの必要性
現在、消費者のニーズは多種多様になり商品が簡単には売れない時代へと変化しました。同時にインターネットやSNSの普及で簡単に情報共有ができるため、商品に求める条件も高くなっています。
多様化した消費者のニーズに対応するためには、正しくセグメントを行わなければ適切なターゲット選定ができかねます。セグメンテーションを行う際は「何を基準にして市場や顧客を細分化すべきか」を考え、自社サービスの立ち位置を競合と差別化できるように工夫した上で、より優位に立てるポジションを獲得することが重要なのです。
セグメンテーション変数について
セグメントを行う際、「セグメンテーション変数(基準・根拠)」の設定がもっとも困難かつ重要です。
ここでは特に、マーケティング戦略を大きく左右するといわれる「4つの変数」について注目してみます。
1 地理的変数(ジオグラフィック変数)
地理的な条件でセグメンテーションを行いたい場合に使われる変数のことです。
食料品・衣料品・家電製品など、気候や生活習慣が売れ行きに影響を及ぼしやすい製品を取り扱う場合に効果的であると考えられています。
特に、実店舗でサービスの提供をする業種の場合は、地理的変数を重視する必要があります。
~分類の具体例~ |
・地方(国、関東、関西など)
・人口密度(都市部、郊外、交通網の発達、車社会など) ・気候(温暖、寒冷、湿度の高低など) |
活用の一例:集客において、都市部では駅から近い立地などアクセスの良さ、地方では交通手段である車が入りやすい場所かどうかの見極め |
2 人口動態変数(デモグラフィック変数)
消費者を年齢や性別など、客観的な属性で分類したい場合に採用される変数のことです。
人口動態変数でセグメンテーションを行うことで、市場規模やその動向が比較的把握しやすいためマーケティング戦略においてもっとも使われている変数です。
また衣料品、通信業、飲食などの業界では、顧客の年代によって商品やサービスに求めるニーズに違いがあります。年代によって宣伝方法も変わるため、人口動態変数を用いることで顧客の分布を簡単に測定できるのです。
~分類の具体例~ |
・年齢(子供、若者、大人、高齢者など) ・性別 ・家族構成(既婚、未婚、家族人数など) ・職業(学生、会社員、自由業など) ・所得水準 ・教育水準 |
活用の一例:不動産販売において、子育て世帯向けに案内を送る |
3 心理的変数(サイコグラフィック変数)
ライフスタイル・趣味など、「感性」の分野に結び付く条件でセグメンテーションを行う場合に用いられる変数のことです。
ターゲットを絞り込むことで消費者心理に迫ったマーケティング戦略を打ち出し、競合他社との差別化を図ることができます。
~分類の具体例~ |
・ライフスタイル(アウトドア派、子どもの有無など) ・パーソナリティー(外交的・内向的、高級志向など) ・流行への反応(保守的など) |
活用の一例:健康志向が高い消費者に対して、無農薬野菜の販売を行う |
4 行動変数(ビヘイビアル)
買い手側の行動パターンや知識などで顧客を分ける変数のことです。
適切なタイミングで消費者が求める情報を提供することで、効果的に売上が見込めるでしょう。
~分類の具体例~ |
・買い手の知識 ・使用率(ヘビーユーザー・ライトユーザーなど) ・求めるベネフィット(品質、利便性、経済性など) ・購買パターン(店舗で購入、インターネットで購入など) |
活用の一例:新規顧客、リピーターなど顧客に合わせて販売場所や販売方法を変える |
まとめ
現代社会で利益を出すには、ただ商品を売るだけではなく着実に利益を出すための戦略が必要です。その理由は商品や情報が飽和状態であるほかに、消費者のニーズの細分化や多様性の発展が挙げられます。
マーケティング戦略において、自社の顧客獲得につなげる第一歩としてセグメンテーションは必要不可欠な工程であり、高い優先順位で取り組むべきといえるでしょう。
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